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鶏舎でできる暑さ対策9選!鶏や従業員を熱中症から守る方法を解説

夏場になると、鶏が口を開けて呼吸していたり、動きが鈍くなっていたりする様子を見かけませんか。こうした状態を放置すると、産卵数の減少や、最悪の場合は死亡につながりかねません。

本記事では、鶏舎でできる暑さ対策9選を、屋根・側面・飲み水に分けて解説します。鶏舎が暑くなりやすい構造上の理由や、鶏だけでなく従業員の熱中症を防ぐための注意点も確認していきましょう。自社の設備や予算に合った対策を見つける際の参考にしてください。

夏場の暑さが鶏舎や養鶏場に与える影響

夏場の鶏舎では、気温の上昇が鶏の健康や生産性、働く人の安全にまで影響を及ぼします。単に「鶏がかわいそう」という気持ちだけの問題ではありません。

産卵数の減少はそのまま売上の低下につながり、鶏が死亡すれば大切な資産を失うことになります。さらに、鶏舎で作業する従業員の熱中症リスクも見過ごせません。

まずは、暑さが鶏舎にどのような悪影響をもたらすのかを、経営の視点から整理しておきましょう。

産卵数や卵質が低下する

鶏は気温が27℃を超えるあたりから暑熱ストレスを受け、産卵数や卵の質が低下し始めるといわれています。もともと鶏には汗腺がなく、体内の熱を外へ逃がす仕組みが人間よりも乏しい生き物です。

気温の上昇にともなって体調を崩しやすくなり、その影響がそのまま産卵成績にも表れます。気温の変化が経営上の数値に直結する点を、まず押さえておきましょう。

出典:庄内家畜保健衛生所「暑熱対策について(鶏編)」(https://www.pref.yamagata.jp/documents/45843/2025eiseidayorino11-3.pdf

飼料を食べなくなるため

鶏は飼料を食べると、その後の消化や代謝によって体内で熱が生じます。気温が高い時間帯と食後の体温上昇が重なると、体に大きな負担がかかりかねません。

そのため暑い時期の鶏は、体温がこれ以上上がるのを避けるため、飼料を食べる量が減る傾向にあります。結果として必要な栄養を十分に摂取できず、卵の数やサイズが安定しにくくなるのです。

激しい呼吸を行うため

暑さを感じた鶏は、口を開けて「ハァハァ」と激しく呼吸するパンティングと呼ばれる状態になります。これは体内の水分を蒸発させて体温を下げようとする防御反応ですが、同時に体内の炭酸ガスを過剰に排出することにもつながります。

すると血液が通常よりアルカリ性に傾き、卵殻の形成に必要な血中のカルシウムや炭酸水素イオンの利用に影響が及びます。その結果、卵殻が薄くなり、割れやすい卵が増えるおそれがあるのです。

鶏の死亡リスクが上昇する

鶏が死に至るとされる限界体温の目安は、47℃前後とされています。日中の気温がそこまで達していなくても、夜になっても気温が十分に下がらず、鶏舎内に熱がこもったままだと、鶏の体内に熱が少しずつ蓄積されていきます。

こうした熱の蓄積は、鶏の死亡事故につながる要因のひとつです。鶏舎内の温度を日中だけでなく、夜間も含めて管理する視点が欠かせません。

従業員の熱中症リスクが上昇する

暑さの影響を受けるのは鶏だけではありません。高温多湿になりやすい鶏舎で作業する従業員も、熱中症になるリスクが高まります。

2025年6月1日施行の改正労働安全衛生規則により、暑さ指数(WBGT)が28度以上、または気温が31度以上の環境で1時間以上続く作業や1日4時間を超える作業では、早期発見のための連絡体制の整備や、症状悪化を防ぐ対応手順の作成・周知が事業者に義務付けられています。 

経営者には、鶏の健康管理だけでなく、従業員が安全に働ける環境を整えることも求められます。必要な措置を怠った場合は罰則の対象となる可能性もあるため、こまめな休憩や水分・塩分補給の呼びかけとあわせて取り組みましょう。

出典:一般社団法人 日本気象協会「農作業と熱中症に関する実態調査を公開」(https://www.netsuzero.jp/news/20250609-14547.html

出典:厚生労働省「職場における熱中症対策の強化について」(https://www.mhlw.go.jp/content/001476821.pdf

鶏舎は室温が上昇しやすい構造|折板屋根と輻射熱の関係

鶏舎には、金属製の折板屋根が多く使用されています。金属は熱を伝えやすいため、折板屋根は鶏舎内の温度が上がる原因のひとつです。

夏の直射日光を浴びた金属屋根は、表面が非常に高温になることがあります。熱くなった屋根は、まるで巨大なヒーターのように、鶏舎内へ熱を放ち続けます。これが「輻射熱(ふくしゃねつ)」と呼ばれるものです。

輻射熱とは、熱くなった物から赤外線などの熱線によって伝わる熱のことです。空気を通して伝わる熱とは仕組みが異なるため、換気扇で空気を入れ替えるだけでは十分に抑えられない場合があります。送風によって風の流れをつくっても、熱くなった屋根から熱が伝わり続けると、鶏が感じる暑さは下がりにくくなります。

さらに見落とせないのが、屋根の経年劣化と暑さの関係です。折板屋根は年月がたつと塗膜が傷み、サビが発生しやすくなります。サビや汚れによって屋根の色が変わると、太陽光の熱を吸収しやすくなり、鶏舎内の温度上昇につながる可能性があります。

また、塗膜のはがれやサビを放置すると、やがて雨漏りが起こり、鶏舎内の衛生環境や建物の構造に悪影響を及ぼしかねません。そのため、鶏舎の暑さ対策は、屋根のメンテナンスとあわせて考えることが大切です。

換気や送風など日常的な対策に加えて、熱の入り口となる屋根の状態を整えることも、暑さを抑えるうえで重要です。屋根の劣化状況を定期的に確認し、適切な時期に「遮熱塗装」や「カバー工法」を行えば、建物を守りながら、屋根から伝わる熱を減らす効果が期待できます。

次の章では、日常的に取り組める方法から屋根の改修まで、鶏舎でできる具体的な暑さ対策を見ていきましょう。

鶏舎でできる夏の暑さ対策9選

ここからは、鶏舎で実践できる9つの暑さ対策を「屋根」「側面」「飲み水」に分けて紹介します。それぞれ必要な費用や効果が続く期間は異なるため、自社の設備や予算に合わせて比べてみてください。

なかでも屋根への対策は、屋根から伝わる輻射熱そのものを抑えるうえで効果的です。とくに遮熱塗装やカバー工法は初期費用がかかりますが、一度施工すれば効果が長く続きやすいため、長期的な暑さ対策として検討できる方法です。

屋根への対策

輻射熱の発生源となる屋根に手を加えると、鶏舎内へ伝わる熱を減らす効果が期待できます。ここでは、必要な費用や効果が続く期間が異なる5つの方法を紹介します。

ドロマイト石灰を塗布する

ドロマイト石灰を水で溶いて屋根に塗り、表面を白くすることで太陽光を反射させる方法です。塗料を使う場合よりも費用を抑えやすく、取り入れやすい暑さ対策といえます。ただし、雨などによって少しずつ流れ落ちるため、定期的に塗り直す手間がかかります。

庄内家畜保健衛生所の資料では、屋根へのドロマイト石灰の塗布によって、舎内温度が約5℃低下した例が紹介されています。ただし、低下する温度は天候や鶏舎の構造、屋根の状態などによって異なります。

消石灰は雨で流れやすいため、一時的な対策として使われることがある一方、ドロマイト系の石灰は比較的屋根に付きやすく、塗り方や製品によっては効果が長く続きます。屋根に塗る場合は、それぞれの特徴を確認して選びましょう。

出典:庄内家畜保健衛生所「暑熱対策について(鶏編)」(https://www.pref.yamagata.jp/documents/45843/2025eiseidayorino11-3.pdf

遮熱塗料を塗布する

屋根に遮熱塗料を塗布すると、太陽光に含まれる赤外線を反射し、屋根に熱がたまるのを抑えられます。製品や条件によっては、一般的な塗料と比べて屋根の表面温度を10〜15℃程度、日本塗料工業会の資料では最大20℃以上低下した例も紹介されています。

ただし、屋根の表面温度が下がった分だけ、鶏舎内の温度も同じように下がるとは限りません。屋根の材質や断熱材の有無、換気の状態などによって、舎内への効果は変わります。サビや傷みがまだ軽い屋根であれば、遮熱塗装を選べる場合もあります。

遮熱効果を長く保つには、塗膜に汚れが付きにくい「防汚性」の高い塗料を選ぶことも大切です。屋根に汚れがたまると太陽光を反射しにくくなり、遮熱性能が少しずつ低下する場合があります。

塗鈑瓦屋では、鶏舎周辺の土ぼこりも考慮し、防汚性に配慮した遮熱塗料での施工を行っています。

出典:一般社団法人 日本塗料工業会「遮熱塗料(高日射反射率塗料)って?」(https://www.toryo.or.jp/jp/anzen/reflect/reflect-posters-2015.pdf

遮熱シートを施工する

屋根の表面や屋根裏にアルミ製などのシートを取り付け、輻射熱を反射させる方法です。製品の種類や施工する場所、鶏舎の構造によって効果は異なりますが、屋根から鶏舎内へ伝わる熱を抑える効果が期待できます。

遮熱シートには、屋根の上に取り付けるタイプのほか、屋根裏に施工するタイプもあるため、鶏舎の構造に合わせて選べる点がメリットです。施工方法によっては塗装より短い期間で工事を終えられる場合があり、施工中の鶏への負担をできるだけ抑えたいときにも検討しやすい方法です。

ただし、すべての遮熱シートに防水機能があるわけではありません。雨漏りや屋根の傷みがある場合は、遮熱シートだけで対応せず、必要に応じて修理や防水工事も行いましょう。

カバー工法で断熱性・遮熱性を高める

カバー工法は、現在の屋根を取り外さず、その上から新しい屋根材を重ねて施工する方法です。屋根が二重になることで間に空気の層ができ、断熱性や遮熱性を高める効果が期待できます。

屋根材を新しく重ねるため、暑さ対策だけでなく、サビや雨漏りへの対策も同時に行える点が特徴です。とくにサビや傷みが進み、塗装だけでは補修が難しい屋根では、カバー工法が選択肢のひとつになります。

ただし、屋根の下地まで大きく傷んでいる場合は、カバー工法を施工できないことがあります。工事を決める前に屋根を点検し、建物の状態に合った方法を選ぶことが重要です。

塗鈑瓦屋ではカバー工法にも対応しており、屋根の状態や予算に合わせた方法をご提案しています。

屋根散水を行う

屋根にホースなどで水をまき、水が蒸発するときに周囲の熱を奪う「気化熱」で温度を下げる方法です。大がかりな工事をせずに始められるため、一時的な暑さ対策として取り入れられます。

ただし、湿度が高い日は水が蒸発しにくく、十分な効果を得られない場合があります。まいた水が鶏舎内へ入り込むと、湿度が高くなる可能性もあるため注意が必要です。

また、水をまき続けると、屋根の塗膜やサビの状態によっては劣化を早めるおそれがあるため、長期的な対策として散水だけに頼らないようにしましょう。

側面への対策

屋根への対策とあわせて、鶏舎の側面から風を取り入れたり、直射日光を防いだりすると、暑さをさらに和らげられます。ここでは3つの方法を紹介します。

換気扇や送風機を導入する

鶏舎の側面に換気扇や送風機を設置し、舎内に風の流れをつくる方法です。鶏の体の周りに風を当てることで、体内の熱を外へ逃がしやすくなります。また、鶏舎内にたまった熱気や湿気を外へ出すのにも役立ちます。

鶏は風速1m/sの風が当たると、体感温度が2.7〜5.2℃程度下がるとされています。下がり幅に差があるのは、鶏の姿勢や羽毛の状態、風の当たり方などによって効果が変わるためです。

ただし、換気扇や送風機を設置するだけでは、鶏舎全体に風が届かない場合があります。風が当たらない場所ができないように、設置する位置や向き、台数を調整することが大切です。比較的取り入れやすく、屋根への対策やミスト冷房など、ほかの方法と組み合わせやすい点もメリットです。

出典:JA全農「効果的な夏場対策の方法」(https://jaccnet.zennoh.or.jp/global-data/sales/other/20220607163309315.pdf

ミスト冷房を設置する

ミスト冷房は細かい霧を噴き出し、水分が蒸発するときの気化熱を利用して、周囲の温度を下げる方法です。霧が鶏や床に届く前に蒸発するよう、噴き出す量や粒の細かさを調整する必要があります。

水滴が十分に蒸発せず、鶏や床をぬらしてしまうと、鶏舎内の湿度が高くなります。床がぬれた状態が続けば、衛生環境が悪化するおそれもあるため注意しましょう。

ミスト冷房を使う場合は、換気扇や送風機と組み合わせ、湿った空気を外へ出すことが大切です。温度と湿度を確認しながら、噴霧する時間や水の量を調整してください。

寒冷紗やよしず、グリーンカーテンを使用する

寒冷紗やよしず、グリーンカーテンを鶏舎の窓や外壁の近くに設置すると、直射日光を遮ることができます。鶏舎の側面や地面が日光で熱くなるのを抑え、周囲からの照り返しを減らす方法です。

これは、日光を遮る「遮蔽(しゃへい)」と呼ばれる対策です。屋根や壁が熱を受けにくくする「遮熱」とは仕組みが異なりますが、比較的手軽に取り入れられます。

ただし、風の通り道をふさいでしまうと、鶏舎内に熱や湿気がこもる可能性があります。換気を妨げない位置に設置し、屋根への対策や送風と組み合わせて使いましょう。

鶏の飲水を冷たく保つ

気温が38℃前後まで上がると、鶏の飲水量は気温21℃のときと比べて約2倍になるといわれています。暑さで失われる水分を補い体温を調節するため、十分な量の水を飲める環境を整えることが大切です。

また、水温にも注意が必要です。飲水温度が32℃の場合と27℃の場合を比べた調査では、27℃の水を与えた鶏の平均産卵率は83%、32℃の水を与えた鶏は76%でした。1日1羽あたりの飼料摂取量も、27℃の水では90g、32℃の水では83gと報告されています。

この結果からも、給水器の水はこまめに確認し、できるだけ冷たい状態を保つことが大切だとわかります。水が熱くなっている場合は入れ替え、給水管に直射日光が当たる場合は、日よけや断熱材を取り付ける方法もあります。

あわせて水漏れや詰まり、水の出が悪い箇所がないか定期的に確認してください。十分な量の冷たい水を切らさないことが、鶏の体温調節を助け、食欲や産卵成績の低下を抑えることにつながります。

出典:株式会社ゲン・コーポレーション「採卵鶏に対する酷暑期の飼養管理」(https://www.ghen.co.jp/pdf/ts15-hotweathermanagement.pdf

まとめ

鶏舎の暑さ対策では、換気や散水などの日常的な工夫と、屋根から伝わる熱を抑える対策を組み合わせることが大切です。なかでも遮熱塗装やカバー工法は、暑さ対策とあわせてサビや雨漏りへの対策にもつながり、長い目で見れば経営上の負担を減らす方法のひとつです。

まずは換気や飲み水の管理など、日常的にできる対策から始め、屋根のサビや傷みが気になる場合は早めの点検をおすすめします。

鶏や従業員を暑さから守りながら、長期的な修繕費や暑さ対策の負担を抑えたいとお考えの方は、塗鈑瓦屋へお気軽にご相談ください。

塗鈑瓦屋は、畜舎や工場など1,000棟以上の施工実績があり、畜産現場の環境に合わせた遮熱施工を行っています。独自のハイブリッド工法では、屋根を張り替えずに補修と遮熱を同時に行えるため、屋根の寿命を延ばしながら、鶏舎内へ伝わる熱を抑える効果が期待できます。

全国からの相談に対応しており、見積もりは無料です。鶏舎や屋根の状態、設備、予算を確認したうえで、それぞれの現場に合った暑さ対策をご提案いたします。

塗鈑瓦屋では、畜産現場での遮熱塗装に関する相談を受け付けております。お困りの際にはぜひお問い合わせください。

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